ほとんどの会社には、「就業規則」があるかと思います。
就業規則は「労使間の権利義務を根拠づけるもの」であり、常時使用する従業員が10人以上いる事業場には作成して届け出るところまでが義務づけられています。
就業規則は、労働者に周知する義務がある
具体的には書面を交付する、共有サーバに格納するなどのやり方が取られます。
「この休暇は有給?無休?」
「変形労働時間制は取り入れられているの?」
「賃金の内訳が知りたい」
「何をしたら表彰されて、何がもらえるの?」
など、労働条件に関する疑問を労働者自らが根拠規定から確認することが出来ます。
1社目に入社した会社の話です。入社時研修のときに、抜粋しか見せてもらえなかったんですね。そして入社しても配属が決まっても、就業規則の全文が見られずどこにあるかも分からない。仕方ないから総務に問い合わせたんです、「就業規則の全文が見たいのでどこにあるかを教えてください」。すると回答がこちら、「何が知りたいの?抜粋して見せるよ」。
今なら言えます、アウトです。
対する2社目、会計事務所なんですが、なんと入社初日に就業規則の読み合わせを行いました。そしてそのまま全文のコピーを手渡され、デスクで保管するよう指示がありました。
「なんて素敵な会社…!」と思いましたが今なら言えます、当たり前です。
10人未満の事業場でも、就業規則はあった方がいい
こちらは逆に言えば10人未満の事業場であれば就業規則の作成は義務ではありません。義務ではない以上、従業員が数人であれば個別の労働契約のみで全てを規定するやり方もありますが、就業規則の作成をお勧めすることに変わりはありません。
・雇用契約書にすべてを書くとなると、非常に長くなることが予想されます。
・事業場にて雇用契約書は見やすい場所に置かれるものではないので、労働者が確認したいときすぐに労働条件確認することが難しくなります。
・解雇や制裁など、労働者にとって不利益な話は特に就業規則に根拠があるか否かでやりやすさが変わります。
就業規則の作成をお考えの際は、お気軽にお声がけください。
就業規則より法律が優先
例えばこんな会社がありました。
・割増賃金の基礎に含める賃金を会社独自に規定し、除外できないものを除外する
→ダメです。私が最後に勤めた会社、M&Aの仲介企業で譲渡対象企業の労務状況をチェックしていたのですが、除外してはいけない諸手当を除外して割増賃金を計算する規定を作成していました。こちら私が指摘したところ、事業主が残業代を節約するために悪意を持ってこのような規定を作成するよう社労士に頼んでいたようでした。
就業規則が法改正に対応しきれていない
→こちらも少なくありません。労働に関する法律は日々法改正を重ねています、大変なのは分かりますが、定期的な見直しは是非行っていただきたいと思います。M&Aの仲介をしながら、あるいは退職後に開業社労士として色々な会社の就業規則を見てきました。30年以上前のものもちらほらと…年次有給休暇の付与日数が違ったりするんです。実態として現行の労働法に即した労務管理をしていれば直ちに違法ではありませんが、法改正を学んで周知する意味でも就業規則は日々見直しましょう。社労士が必要ならいつでも頼ってください。
労働法は最低基準、より親切な、そしてより良い条件の就業規則の作成に努めましょう
・法定休日が何曜日かが書いてある(法改正で義務付けられそうですが)
・年次有給休暇について今年の分と前年からの繰り越しがある場合、どちらから消化されるか書いてある
・月平均所定労働時間を就業規則で規定している(祝日の日数で変動しなくなる)
→これらはより親切な就業規則です。
或いは、
・法定を上回る日数の年次有給休暇を付与する、あるいは入社6か月に満たない従業員にも所定の日数にて年次有給休暇を付与する
・本来有給であることを求めない休暇を有給にて付与する
・会社独自の表彰制度が充実している
これらは、より良い条件の就業規則ということになります。
従業員にとってより良い職場環境を提供することが、結果としてより良い仕事につながります。是非、就業規則をご活用ください。但し、就業規則に記載した以上はその通りにしなければならなくなります。
労働者の皆さん。
就業規則の確認は、自分で自分の「働く」幸せを守る第一歩です。
見たことのない方、まずはどこにあるかを確認しましょう。


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