本当にあった労働法|①その時間、労働時間かも!?

働いている時間=労働時間、とは限りません

突然ですが皆さん。正確には、雇用されて働いている皆さん。

「労働時間」とは何でしょうか。

条文に明記されているわけではありませんが、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」という考え方が、判例や実務で固まっています。

そして、労働時間にあたるなら、原則として賃金支払いの対象になります。

それでは、この時間は労働時間でしょうか?

①4月1日入社の内定者を入社前研修と称して4月1日より前に出社させる場合

→労働時間であると判断される可能性があります

勿論、時と場合によります。その研修は参加が必須のものなのかが大きな判断基準です。

私が大学卒業後に新卒として入社した会社した会社の話なのでが、4月1日入社と認識していたため3月31日までは私用を詰め込んでいたんです。私用の予定を入れた後に会社から連絡があり、3月30日から入社前オリエンテーションとして出勤しなければならないと連絡を受け、非常に困った思い出があります。せめて少しでも早く連絡ほしかった。そして勿論「労働時間であれば給与が発生する可能性あるよな…?」と今なら思いますが、記憶が定かであればおそらく支払われていないです。当時に戻って確認してみたい。

②制服を着用する職場において、職場で制服に着替えている場合

→労働時間であると判断される可能性があります

私が新卒で入社した会社は製造業の会社で現場に降りる際には作業着への着替えが必須でした。或いは当該会社、私が新卒で入社した頃はまだ女性事務職の制服があり、いずれも着用を義務付け着替えの場所も指定されていました。制服に着替える時間は労働時間と認識だけはしていたのでしょうか、打刻をしてから着替えていましたが給与は定刻から発生していました…突っ込めばよかったですね。或いは、就業規則に始業時刻を記載したうえで「始業までに所定の場所で制服に着替えておくこと」などと記載があると更にマズイです、「うちの会社どうなんだろう」と思ったら、お気軽にご相談ください。

③休憩時間…と称する時間に電話を取らなければならない場合

→労働時間であると判断される可能性があります

念のためのおさらいですが、休憩時間とは「労働者が労働から完全に解放され、自由に利用できる時間」のことを言います。こちらは私が2社目に入社した会計事務所の話になりますが、資格者ではないアシスタントで当番制を組み12時から13時までの1時間自席待機を義務付け、基本的には食事を含め自由に過ごせるものの電話が来たら取らなければならないシステムが導入されていました。外出できない、イヤホンつけられないなどの不便があり自由に利用できていたとは言い難いため、休憩時間にはあたらず待機時間にあたる可能性が高いですね。この時間は労働時間であるなら給与が発生するはず、果たしてどうだったか…と疑問に思うところなのですが、月給制だったこともあり当該1時間のものとして給与が支払われていたかの判断は難しいところです。

④朝早く来て、社内や会社の周りの掃除をしている場合

→会社の指示なら、労働時間であると判断される可能性があります。

新卒で入った会社の話です。当番制を組み、朝の始業時刻前に会社の周りの「ボランティア清掃」をしていました。名称ばかりボランティアでも、当番制まで組んで来なかったら注意を受けていましたから当然労働時間でしょう。是正勧告が入ったようで、私が入社してから数年後に始業時刻後に当番は朝礼を免除されてボランティア清掃を行う形に変わりました。尚、それから10年以上たって私はとある会社に出向することになるのですが、余程法律を熟知している会社のようで、その会社は時間外勤務申請をさせた上で15分前に出勤を命じ「社員による朝掃除」をさせたうえで定額残業代を支給していました。なんだかなぁ…法的整理はされているように見えましたが、制度設計次第では注意が必要かもしれません。

⑤休日の社内行事

→参加が必須であるなら、労働時間であると判断される可能性があります。

新卒で入った会社の話ですが、役員達にはハイキングの趣味がありました。そして私達は内定者の頃から「入社3年目までの若手はハイキングも研修の一環、拒否権は無い!」と明言されておりました。「であれば、休日出勤手当出るよなぁ…?」とその時から思っていました。そして私はその旨を社長に直接口頭にて申し上げたところ、入社2年目にして拒否権を得ました。分かってたんじゃん。私実はハイキング自体は好きなんですけどね、他の予定を無くしてまで休日に会社の役員と行くモンじゃないですって話。尚、譲歩して無給で付き合ってあげるにせよ会社から強制された根拠資料は確保したほうがいいと思います。労働時間性が認められる余地を残しておけば、例えば山で怪我なんかしたときに労災からの保険給付があるかって話のときに状況が変わってきます。

⑥通勤時間

→原則として、労働時間にはあたりません。

通勤時間は、労働者が使用者の指揮命令下にあると判断されにくいからです。確かに通勤時間は動画見たり、ゲームしたりと基本的には労働者の自由ですよね。

但し、

・出張の行き帰りに、移動中の新幹線や航空機で資料作成などの仕事をしている

・荷物の運搬や業務に関する誰かの運転手など移動そのものが業務

などの場合、労働時間にあたると判断される可能性があります。

私が目指す「労働の価値が正しく評価され労働者が正当に報われる社会」の実現のためには、まずは労働時間が正しく測定される必要があります。

皆さんの会社はどうですか?

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