契約で所定労働時間が決められていても、それを超えて働かなければならなくなるケースは少なくありません。より良い仕事のために本当にその残業が必要なもので、働いた分の給与は所定の比率にて支払われているなら、残業自体がダメなものでは決してありません。
仕事ですから、当然そこには期限がありきです。
期限を守らなければ沢山の人の信頼を失います。
働く人や事業場が信頼を失わずによりよい仕事ができ、より高い給与にもつながる。
双方にとって必要な残業であれば、適切な労務管理のもとで行われることもあります。そのためには36協定などの手続きも大切になります。
では、以下の場合はどうでしょう。
残業は事前申請、許可のない残業は認めません
→これ、実はOKです。意外かもしれませんが、OKです。
打刻通りに残業代を払うやり方だと、残業代を稼ぐために仕事の効率を落とすということが従業員には出来てしまい、会社は必要以上に給与を払わなければならなくなってしまいます。不要な残業を好む従業員が複数発生すれば、社風の悪化にもつながりますね。
あくまでも、一番の目的は従業員を不要に仕事で拘束せず、従業員のプライベートを守ること。そこを踏まえたうえで、就業規則にもひとこと記載があると尚素敵ですね。
この場合の正しい運用は
・定時の30分~1時間前くらいに上司に仕事が終わらなそう、残業が発生しそうなことを伝えます。
・ここで上司が状況を確認し、業務量の調整や優先順位の整理ができると理想的です。会計事務所時代の上司がこのような方でした…なんて心強い!
・確かに残業が必要であれば、予想の残業時間を添えて残業申請をします。その後、実際の勤務時間にて残業時間を確定します。
それでは、このようなケースはどうでしょう。
新人さんは未熟だから仕事が遅いよね。残業も勉強のうち、残業代は払えない
→分かりますね。ダメです。新卒で入社した会社がそうでしたが…先輩たちは日中営業で外回りをしています、「事務作業は帰社してから定時後に」という社風なわけです。それ自体はまぁ、払うものが払われていれば即NGではありませんが、その事務作業を新人にも振るなら残業代を払わなきゃダメですよね。当時世間知らずの学生上がりだった私は諦めてしまった残業代があります。プライベートを犠牲にして残業をした従業員に対して失礼な話ですね。
会社として指示はできない。でも…やった方がいいの、分かるよね?
→これもダメです。分かりますね。新卒で入った会社は勿論、なんと法律を熟知しているはずの出向先でもこのようなことがありました。まず従業員レベルでできることとして、業務上必要か迷う場合は、まず上司に確認することが大切です。「明日やります、来週やります」で問題無いならそうする、本来の成果物完成のためにやらなくていい作業ならやらなくたっていい。念のためですが「勉強」「研修」「報告書作成」など名称を工夫したとて会社から指示があったなら仕事です。法定労働時間外なら割増賃金が発生します。
正当な残業をしたのに残業代が支払われない
もし本当に、正当な残業をしていたにもかかわらず残業代が支払われなかったら…。諦めないやり方があります。可能な限り客観性のある方法で、自分で勤怠管理をするんです。その時間に会社にいたこと、仕事をしていたことが分かるエビデンスを自分で溜めておくんですね。タイムカード、PCログイン履歴、メール送信履歴、業務チャット、入退館記録など客観的な証拠を残しておく…それで後から請求するんです、弁護士に依頼する形にはなりますが。1社目の会社です、その時は法改正前でしたが退職後に過去2年分の未払残業代を請求し勝ち取った元若手従業員がいました。200万円ほどでしょうか。法改正後の今は給与債権の消滅時効は3年(5年と決められたはずなのに当面は3年、2026年現在も3年)、3年分の立証責任を自ら負うのは大変だと思いますが、諦めないやり方があることは知っておいた方がいいと思います。
自分の給与が自分の勤怠に対して正しく支払われているか。
まずは、自分の給与明細を毎月確認してみましょう。


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